ことばは生まれてくるもの? 

ことばは獲得するもの?

 

□ 赤ちゃんは、マンマと言えるようになっても、ウンチが言えてないということを知らない。セカイもニホンもジブンについても、幼い子は、知らないということを知らない。

 

□ 小学生くらいになってから、ずいぶんたくさんのことを教わって、知るようになっていくけれど、知らないことがたくさんあるということを、まだ、知らない。ワカモノと言われるようになって、ご近所のことやら付き合いやら、生活にまつわるいろいろなこと、かたちのないもののことまで、知らず知らずのうちに知っていくことになるのだけれど、知らないことのほうが多いということを、まだまだ知らない。

 

□ でも、「知らないことが多い」という知識は、多少なりとも、つかんでいくかな。

そして、オトナになり、さらに生きて、経験が増えていって、やっと「知らないことのほうが多い」と、思い知る。そのうち、さらに知ることが増えていくと、知っていることが少ないどころか、知ってることはほとんどない、なぁ、と思うようになる。

 

□ でも、でも、知らないことばかりなのだから、出逢うものすべてが知りたいものだと思える瞬間が、チラチラしだす。そして、知り方がいろいろあることを知ってるから、なおのこと、知らないコトが知りたいコトになってくる。

 

□ でも、でも、でも、いちばん知っているつもりでいた「ジブン自身」が、思いもかけないものだったり、物知りだったりする。そして、じぶんがアホであること、じぶんがヨワイこと、そして、じぶんがズルイこと、キタナイこと、カワイソウなこと、じぶんのすべてが、知らないことのカタマリだったことを知る。 

 ここから、

ほんとうに知ることがおもしろくなるんだ、

たぶん。

 

 連絡先: scientificsemi@gmail.com