小論文の採点基準 と 減点対象
□ 小論文試験の受験生の悩みの多くは、次の3つに集約されます。
「どうやって評価が決まるのか?」
「自分の書いた答案は、どこが悪いのか?」
「どうすれば、合格答案が書けるようになるのか?」
● 全小論文共通の 「採点基準」
□ 小論文試験は、「採点基準」がはっきりしません。たとえば、数学ならば答えが明確です。解答例を見れば自分がどこで間違ったのかがわかりますし、勉強の方法も、公式を覚えたり練習問題をたくさん解いたりと、方向性は明確です。英語や国語など他の教科についても、ある程度、同じことが言えるでしょう。
□ しかし、小論文試験は「すべてが闇の中」というのが受験生の正直な気持ちだと思います。
□ 大学入試や公務員試験、教員試験などの受験案内を見ると、「小論文の採点のポイント」として、次のようなものが挙げられています。
○ 課題把握力
○ 着想
○ 思考力
○ 説得力
○ 論理性
○ 文章構成力
○ 表現力
など。
□ これらはすべて抽象的な表現なので、「どうすればこれらを満たせるのか?」がハッキリとわかりません。
□ そこで、上記の採点ポイントを具体的に言い換えてみると、次の4つに集約されます。
1.「問題の意味を正確に理解して書いているか?」
2.「具体的であるか、抽象論に逃げていないか?」
3.「簡潔で話の筋道が通っているか?」
4.「自分のオリジナルな主張が出せているか?」(主に大学入試)
□ どんな試験であれ、共通して印象を大きく左右するのは、上記の4点だと言えます。そして、この4つが満たされていれば、誰が読んでも「わかりやすい文章だな」と思ってもらえます。
□ では、どうすれば、この4つをクリアした答案を書けるようになるのでしょうか?
● 全小論文試験共通の 「減点基準」
□ 小論文試験の「どんな採点者でも減点したくなる重大ミス」
★問題文の指示に正しく答えていない
★具体的な言葉で書けていない
★資料を正しく扱っていない
★要約が「本文の切り貼り」になっている
★課題文を無視して自分の意見を書く
★課題文の趣旨をそのままなぞって書く
★ムダな言葉が多い
★解答のバランスが悪い
★消極的な表現で印象を落とす
★話の流れが整理されていない
★課題解決型の問題を一点突破で押し切る
★事前に準備した筋書きやキーワードを書く
□ これらは、「全答案の中でどれくらいの答案にそのミスが含まれるか?」を示す頻出度と、「どれくらい大きく減点される可能性があるか?」を示しています。
● 上位5~6つにミスが集中
□ どんなに上手く書けても、上記の2番目に当たることが減点の対象なっています。また、上手く書けなくて悩む場合は、1、2、5、7、8、11番目が主な減点要因のようです。