小論文とは

小論文とは

「問題を解く」タイプの他の科目とはそもそも性質が違うので、どう対策すればいいのかよくわからないという人もいるはず。では、「小論文」とは何なのだろうか。

1. 基本は、小論文は作文・感想文とは違うということ。

2. 小論文で求められる「意見」は持論や思想とは違う。

3. 反論をあえて想定して、乗り越えることが必要。

4. 小論文は「序論」がもっとも重要。

 

小論文の出題形式は

◆ 長めの課題文付きのタイプ

◆ シンプルなテーマだけが提示されるタイプ

◆ グラフなどの資料を読み解くタイプ

などに分かれる。

 

時間と文字量は

60分600字、80分800字などで、だいたい100文字あたり10分程度と考えてよい。少ない場合は400字、多いと1000~1200字という場合もあるが、いずれにしても時間との勝負。

 

小論文は作文・感想文とは違う

 

よく言われることではあるが、小論文なのに作文・感想文を書いてしまうことが少なくない。

作文・感想文なら自分の思ったことを思ったように書いていいのであるが、小論文は、設問に対して、根拠を示して自分の意見を論じるもの。つまり、小論文は、論理的に相手を説得することが求められる文章であること。独りよがりな思いだけを書いても誰も説得することはできず、それでは小論文として成立しない。ただ、小論文での意見と感想の違いはわかりにくい。簡単にいえば、自分の中の「好き」「嫌い」で終わってしまうのが感想、一方、自分の感情とは別に、論理的な根拠とともに主張されるのが意見。

 

例えば、「とてもおいしいから納豆が大好きだ。だから毎日食べたい」は感想 (あるいは自分の感情・感覚だけに基づいた考え)。

これに対して、「納豆には必須アミノ酸がバランス良く含まれており、人々の健康増進に貢献することが科学的にも証明されている。だから、積極的に摂取すべき食物の一つである」は意見。

後者の「意見」は、納豆が嫌いな人が書くこともあるし、それはそれで、立派な意見となる。

 

小論文には「意見」とその「理由・根拠」および「構成」が必要

□ 小論文での「意見」とは

分類すると次の通り。

① 問題発見、問題の指摘

② 問題の分析

③ 問題解決、対策案の提示

④ 希望や価値、可能性、重要性の指摘

 

例えば、少子高齢化や地球温暖化などの社会問題について意見を述べる場合、つい対策まで書かなければいけないと考えがち。しかし、このような複雑な問題に対して、限られた時間、文字量で説得力があるレベルの対策を提案するのは、至難の業。そのような場合は、無理をせず、問題の指摘や分析に止めても十分意見として成立する。①~④のうちのどれかに該当していればよい。

 

□「理由・根拠」について

根拠として使えるのが統計データ。

数字で裏付けることにより、意見の説得力はグンと高まる。ただし、課題文や図表から引用する場合を除けば、数字を覚えておく必要がある。そして、文中で自分の意見に対する反論を示して、それを乗り越えること。これは小論文を書くうえで非常に重要なポイント。どんな意見にも反対意見はある。文中で反対意見を明示し、比較上自分側の意見の方がより重要である、あるいは反論側にはこんな大きな問題があるなどを指摘することで、説得力が大きく増す。

 

□ 小論文は「序論」がカギ。「結論」は二の次。

序論では、自分の立場・関心・目の付け所を明らかにするのがポイント。2~3行の序論形成がしっかりできていると、小論文の方向性が決まるので書き進めやすいし、読む側にとってもわかりやすい文章になる。なお、意見は「結論」で書くものとは限らず、「序論」で早々に意見を書いてしまってもまったく問題はない。

 

 □「序論→本論→結論」と文章が論理的に「構成」されていること

 

序論で書いた意見があれば、本論はそれを裏付ける理由や根拠を中心に展開する。結論は省いて、序論→本論という構成にしてしまっても、問題はない。

 

□ 採点のポイント

評価の基準は、60~65%で合格ライン。

評価は、ふつう「理解力」「構成力」「発想力」「表現力」といった項目別にされる。

例えば、序論がしっかり書けていれば、それだけで「構成力」は充分といっていい。

ただ、どんな意見でも、設問条件を満たしていないと的を得ないないので要注意。

例えば、「Aという問題について、賛成の立場から論じなさい」という設問条件に対して、「いや、自分は反対なので、逆の立場から論じたい」というのはだめなのである。問われているのは、自分の持論や思想ではなく、あくまで設問条件に応える柔軟な思考力なのである。

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