自分でマネッジする学び

自分独自の学習法を確立するために

 

■ステップ1:仮説を立てる

 自分に合いそうな学習法の選択肢をあげてみる。

 たとえば、暗記するものがあれば、「手を動かして覚えるのが得意」なら、毎日決めた数だけノートに書いてみる、また、「声を出して読むことが得意」ならば、同じようにして毎日続けてみる。また、そのほか、いくつかあげて、ひとつだけ選んでみる。

 

■ステップ2:試してみる

 仮説を立てた学習法に従って実行する。

 まずは1週間、同じ方法を続けていく。それに並行して記録する。毎日の内容を、簡単に書き記していく。学んだ箇所、所要時間、加えて「手応えあり」「飽きてきた」などの簡単な感想も書いておく。

 

■ステップ3:検証する

 1週間かけて実行した学習内容をどれだけ理解できたか、を自分でテストし、チェックする。 

 その結果「書いて覚える」方法が最初に期待していたほど効果がないと感じたら、「声に出して読む」など別の選択肢でまた1週間。〈仮説〉〈試行〉〈検証〉を繰り返す。

 

■ステップ4:法則にする

 たとえば、「単語は朝に5回書いて、夜に見直す方法が1番」という法則性を発見できたとしたら、それを別の分野にも応用していく。

 

■ステップ5:例外を見つける

 どんな法則にも必ず例外がある。ある分野だけうまくいかないとわかったら、「別の仮説」を立てること。「書くよりも黙読を繰り返すほうが頭に入る」など、新しく自分にあった方法を試して検証する。

自分でマネッジしながら学ぶ

 

本番での鉄則=自分を信用しない

 

□ 試験とか、大きなステージに立つときの1つのコツは、自分を信用しない、ということだと思います。これは「自信がない」のとは違い、身の丈を確かめるということ。

 

□ 自分は平時でもこの程度しかできない。ましていわんや、入試のような極端な場所では、持てる力をどの程度発揮できるか分からない。

 

□ ここでは、自分のベストにバイアスがかかった能力しか発揮できない状態、大人であれば、酒に酔ったときのようなもので、「自分@劣化バージョン」になっていると思った方がいい。

 

□ そういう意味で、100%の自分よりも、粗忽で不注意で、普段なら起きるはずのないミスも容易に犯してしまうのが本番というものだ、と考えるといい。

 

□ そういうときには「メモ魔」になることをお勧めします。ともかく書く。自分の手を動かして書き、書いたものを、仕事机のひと目で見渡せるところに置いておく。具体的には「貼っておく」。 

 

□ 極端にいえば、自分の机の周りはメモだらけにすると、その分重要な案件を見落とすリスクは小さくて済む。

 

□ たとえば、問題を見ると、初めて見る問いが記されている。それを目にした瞬間から、重要と思うことは片っ端から、文字として見えるようにしていく。

 

 問いの余白に、メモを取る

 

□ 主語や述語のあるセンテンスである必要はない。問うていることすべてを、自分なりに噛み砕いて抽象化して、それを元に回答していけばいい、と思ってガイドになるようなものを片っ端から書いていく。

 

 それが自分の目に見える形になっている、

というのが大事

 

□ そもそも、超スピードですっ飛ばさなければならない本番、「こんなつもり」「あんなつもり」と脳裏に思い描いただけのものは、勘違いのもと、わざわざ落とし穴を作っているようなものです。

 

□ 自分は徹底しておっちょこちょいで、勘違いの塊、ケアレスミスの王様だ、くらいの自覚をもって、必要なことを片っ端から「手を動かして」目に見えるようにしていく。

 

□ これは、後で自分自身で見直すとき、「別の自分」として客観的に物事を見直すことができるという意味で、決定的に重要なのです。

 

□ 自分の手を動かしてメモを取り、それ自身を使って見直しや検証もできるような取り組み方を良い意味で癖にしておく。

  

 つねにノートを作ること

 

□ 必ず、紙と鉛筆であること。ノートとシャープペンシルでもかまいません。PCだけを使ってというのは勧めません。それで失敗する例を末尾に記します。

 

□ 計算があるものは、PC上で面倒くさい書式で時間を潰すべきではないでしょう。すべて、書く。

 

□ もっと言えば「一度きちんと理解して書いたものは、必ず自分の内側に残る」くらいの確信を持ちながら、ノートを作る。

 

理解が浅いところや、分かっていないところで

手が止まる。

 

□ 時間のないときには、そこは「飛ば」せばよいのですが、この際、「自分はどこまでは分かっており、どこから先を分かっていないか」を明確にできていれば、半分解けているのと同じですから、無用に思い悩み過ぎなくてよい。

 

 時間がないときは「次行ってみよう!」で

さくさく流していく。

 

□ 木を見て森を見ず、一箇所にくよくよしすぎて全体を見損ねぬこと。とはいえ、一枚の木の葉でも、ウイークポイントがあれば、それはそれとして認識しておくこと。

 

□ ふだんから、ともかく手を動かすことを勧めます。一度動かした手の経験のいくつかは残っている、いざというとき自分を支える力にもなってくれる、と思って。

 

徒手してぼーっと流したものは、

ほとんど何の役にも立たない

 

□ 日頃からメモを取らない人がいたとしましょう。重要な打ち合わせで、ポイントが10あるのに、7つか8つを聞き流して、何となく印象に残っていた1か2を元に作業しようとしてもちっとも進まない。

 

□ 1週間、2週間・・・時間を空費し、結局思わしい評価に結びつかず、残念な結果に終わってしまった。こんな経験をしたことがありませんか。 

 

□ まともなノートもメモも作らず、自分の思い込みのまますすめて、墓穴を深堀りしたというもので、実にもったいないことです。

  

□ 自分を客観的に観察する第3の目を頭上高くにもつ。そして、簡単に勘違いを犯す「自分」という扱いにくい動物を識る。

 

□ でも、うまく拍車をかけて俊足で走ることのできる馬だったと知れば、今までとはまったく違った別の「自分」が見えてくると思います。

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